法教育・ロジカルシンキング

18歳成人で何が変わる?親が教える契約と自立の知恵

2022年4月1日から民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、お子さまが成人として扱われる時期が早まりました。この「18歳成人で何が変わる」のか、親として子どもに何を教え、どのようにサポートしていくべきか、不安を感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。この記事では…

こども六法スクール プロデューサー
山﨑 聡一郎
2026.06.12
18歳成人で何が変わる?親が教える契約と自立の知恵

2022年4月1日から民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、お子さまが成人として扱われる時期が早まりました。この「18歳成人で何が変わる」のか、親として子どもに何を教え、どのようにサポートしていくべきか、不安を感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、成年年齢引き下げの具体的な影響、特に「契約」に関する注意点、そして子どもが自立した社会人となるために必要な法教育の重要性について、分かりやすく解説します。

18歳成人で何が変わる?成年年齢引き下げの基本的な影響を理解する

2022年4月1日の民法改正により、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。この変更は、子どもたちがより早い段階で自立した個人として社会に参加することを促すことを目的としています。具体的に「18歳成人で何が変わる」かというと、18歳、19歳の方も親の同意なしに様々な契約を締結できるようになる点が最も大きな変化です。

例えば、携帯電話の契約、クレジットカードの作成、一人暮らしのアパートの賃貸契約、高額な商品(車など)の購入、ローン契約などが、18歳以上であれば親の同意なくできるようになりました。これまでの未成年者契約では、親権者の同意を得ていない契約は、原則として取り消すことができました(民法第5条第2項)。しかし、18歳からはこの「未成年者取消権」が使えなくなります。これは、18歳になった子どもたちが、自分自身の判断と責任で行動することが求められるようになることを意味します。

一方で、飲酒、喫煙、公営ギャンブル(競馬、競輪、競艇、オートレース)、大型・中型自動車運転免許の取得、国民年金の加入義務などは、これまで通り20歳未満は禁止または対象外とされています。これは、心身の発育や健康への配慮、ギャンブル依存症のリスクなどを考慮した上で、引き続き年齢制限が設けられているためです。

文部科学省の調査(「成年年齢引下げに関する意識調査」)によると、成年年齢引き下げについて「知っている」と答えた高校生は9割以上にのぼるものの、「契約」に関する具体的な知識やリスクについて十分に理解している生徒は多くないという実態も浮き彫りになっています。これは、家庭や学校での法教育の必要性を示唆しています。親としては、この変化を単なる「年齢の引き下げ」として捉えるのではなく、子どもが社会で自立していく上で必要な知識や判断力を育む絶好の機会と捉えることが重要です。

契約社会を生き抜く力:18歳から求められる「自己責任」

契約社会を生き抜く力:18歳から求められる「自己責任」

成年年齢が18歳に引き下げられたことで、子どもたちは社会との接点において、より「自己責任」の重さを感じることになります。特に、様々な「契約」を結ぶ場面では、その内容を理解し、将来のリスクを予測する力が不可欠です。これまで親の同意がなければできなかった多くの契約が、18歳からは子ども自身の判断で行えるようになるため、契約トラブルに巻き込まれるリスクも高まります。

消費者庁の発表によると、18歳・19歳の若者からの消費生活相談件数は、成年年齢引き下げ後も引き続き高い水準で推移しており、特にインターネット通販やエステティックサービス、情報商材などに関するトラブルが多く報告されています。これらのトラブルの背景には、契約内容をよく確認しないまま安易に契約してしまったり、リスクを十分に認識しないまま高額な契約を結んでしまったりするケースが見られます。

例えば、SNSで知り合った人から「簡単に稼げる」と誘われ、高額な情報商材を購入してしまったり、無料体験のつもりでエステサロンに行ったところ、強引な勧誘で高額なコースを契約してしまったりといった事例は後を絶ちません。これらの契約は、一度結んでしまうと、原則として取り消すことができません。未成年者取消権が適用されないため、自己責任で契約を履行するか、解約料を支払って解約するなどの対応が必要になります。

このような状況から、子どもたちには「契約とは何か」「契約を結ぶことの意味」「契約書を読むことの重要性」「クーリングオフ制度などの消費者保護ルール」といった、実践的な法教育が求められます。単に「危ないからやめなさい」と伝えるだけでなく、なぜ危険なのか、どうすれば身を守れるのかを具体的に教えることが、親の役割としてますます重要になります。

子どもたちが自ら情報を判断し、論理的に考え、意思決定する力を育むことは、変化の激しい現代社会を生き抜く上で不可欠です。Art&Arts株式会社が運営する「こども六法スクール」では、このような現代社会で必要とされる法教育やロジカルシンキングを育む授業を提供しています。詳細はこちらのページでご確認いただけます。子どもに法教育が必要な理由を深く理解することで、ご家庭での会話もより建設的になるでしょう。

契約トラブルから子どもを守る!親ができる具体的な法教育

契約トラブルから子どもを守る!親ができる具体的な法教育

18歳成人で子どもが自己責任を負うことになる契約トラブルから、親はどのように子どもを守ることができるでしょうか。最も効果的な方法は、早期からの実践的な法教育です。単に法律の知識を詰め込むのではなく、契約の場面を想定した具体的な思考プロセスを養うことが重要です。

まず、家庭内で「契約」の概念を日常的に話す機会を設けましょう。例えば、家族旅行の計画を立てる際に「ホテルを予約するのも契約の一つだね。キャンセルポリシーを確認しておこう」といった形で、自然に契約の話をすることができます。子どもが何かを購入する際に「これは本当に必要かな?」「もし壊れたらどうする?」といった問いかけを通じて、契約に伴うメリットとデメリット、そしてリスクについて考えさせる習慣をつけさせましょう。

次に、具体的な契約書の例を見せて、読み方を教えることも有効です。携帯電話の契約書やアルバイトの雇用契約書など、身近な契約書を一緒に見て、「どこに何が書いてあるか」「特に注意すべき点はどこか」などを説明してあげましょう。特に、契約期間、料金、解約条件、違約金などの項目は、トラブルになりやすいポイントです。消費者庁が提供している若者向けの啓発資料なども活用し、具体的な事例を交えながら説明することで、子どもはより現実的にリスクを捉えることができるようになります。

また、「怪しい勧誘」を見分ける目を養うことも大切です。「絶対に儲かる」「今だけの特別価格」といった甘い誘い文句には裏があることが多いことを伝え、安易に信用しないよう促しましょう。困った時には一人で抱え込まず、必ず親や信頼できる大人に相談することの重要性も繰り返し伝えてください。消費者ホットライン(188番)のような公的な相談窓口があることも教えておくと良いでしょう。

さらに、子どもがインターネットやSNSを利用する機会が増える現代において、メディアリテラシーの育成も不可欠です。インターネット上の情報がすべて正しいわけではないこと、個人情報の取り扱いには注意が必要であること、安易なクリックや登録が思わぬトラブルにつながる可能性があることなどを教える必要があります。これについては、メディアリテラシーとは?のページで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

これらの法教育を通じて、子どもは「契約」という社会のルールを理解し、自分の権利と責任を認識し、自立した判断ができるようになるでしょう。

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自立した大人へ!子どもの「考える力」を家庭で育む実践ステップ

自立した大人へ!子どもの「考える力」を家庭で育む実践ステップ

子どもが18歳成人として社会で自立していくためには、単に知識を与えるだけでなく、自ら考え、判断し、行動する力を育むことが不可欠です。ここでは、家庭で子どもの「考える力」、特にロジカルシンキングや問題解決能力を育むための実践ステップを具体的にご紹介します。

1
日常の小さな選択から「自分で決める」機会を与える
子どもに自分で物事を決める機会を積極的に与えましょう。例えば、今日の夕食の献立の一部を決めさせたり、週末の家族の過ごし方を提案させたりするなど、日常の小さな選択から始めます。「どっちがいい?」と問いかけ、その選択の理由を説明させることで、論理的な思考の基礎を養います。最初はうまくいかなくても、子どもの意見を尊重し、耳を傾ける姿勢が大切です。
2
「なぜ?」と問いかけ、多角的な視点を持たせる
子どもが何かを主張したときや、ある行動をしたときに、「なぜそう思ったの?」「他にどんな方法があると思う?」と「なぜ?」を繰り返して問いかけることで、物事を深く考える習慣をつけさせます。一つの事柄に対しても、様々な側面があることを理解させ、多角的な視点から物事を捉える力を養うことができます。これは、契約内容を検討する際にも役立つ視点です。
3
失敗を恐れず、学びの機会と捉える姿勢を育む
子どもが何かを失敗したとき、責めるのではなく、「どうすれば次はうまくいくと思う?」と一緒に考える姿勢を見せましょう。失敗は成功のもとであり、そこから何を学び、どう改善していくかを考えるプロセスこそが、問題解決能力を育みます。契約トラブルに巻き込まれた場合でも、パニックにならず冷静に対処し、次への教訓とする力を養うことができます。
4
ニュースや社会問題をテーマに家族で議論する
新聞やテレビのニュース、インターネットの記事などを活用し、社会で起きている出来事について家族で話し合う時間を設けましょう。例えば、最近の消費者トラブルのニュースを取り上げ、「この場合、何が問題だったと思う?」「どうすれば防げたかな?」といった問いかけを通じて、社会のルールや倫理観、そして自分自身の判断力を磨くことができます。異なる意見が出た場合も、互いの意見を尊重し、論理的に議論する姿勢を促しましょう。
5
役割演技(ロールプレイング)で契約場面をシミュレーションする
実際に起こりうる契約場面を想定し、家族で役割演技(ロールプレイング)をしてみましょう。例えば、携帯電話ショップの店員と顧客、あるいは訪問販売員と消費者といった役割を演じることで、契約の流れや注意すべきポイントを体験的に学ぶことができます。実際に言葉に出して交渉したり、質問したりする経験は、いざという時の冷静な判断力とコミュニケーション能力を高めるのに役立ちます。このような体験を通じて学ぶことは、シアターインエデュケーション(TIE)とは?で解説している教育手法にも通じる、実践的な学びとなります。
6
法的な相談窓口や消費者保護制度の存在を教える
子どもが困ったときに、どこに相談すれば良いのかを具体的に教えておくことは非常に重要です。消費者ホットライン(局番なしの188番)、弁護士、司法書士などの専門家、そして学校の先生や信頼できる大人など、様々な相談先があることを伝えましょう。また、クーリングオフ制度や、特定商取引法などの消費者保護に関する基本的な制度についても、分かりやすく説明しておくことで、万が一のトラブルの際に身を守るための知識となります。
7
「こども六法」を活用し、身近なルールを学ぶ
「こども六法」は、子どもにも分かりやすい言葉で法律の基礎を解説した書籍です。これを活用して、身近なルールや社会の仕組みについて親子で一緒に学ぶ時間を取りましょう。例えば、「公園で遊ぶときのルールは、法律でどうなっているのかな?」といった形で、日常の出来事と法律を結びつけて考えることで、法的な視点から物事を捉える力が自然と身につきます。これは、子どものロジカルシンキングの育て方にも直結する大切なステップです。
これらのステップを通じて、子どもたちは「18歳成人で何が変わる」のかを肌で感じながら、自立した社会人として必要な「考える力」を確実に育んでいくことができるでしょう。

まとめ:18歳成人は家庭から始められる

2022年4月1日の成年年齢引き下げにより、「18歳成人で何が変わる」のか、その影響は子どもたちの日常生活にまで及びます。特に、親の同意なく様々な契約を結べるようになることで、子どもたちにはより一層「自己責任」が求められるようになりました。携帯電話の契約、高額商品の購入、ローン契約など、これまで親が関わってきた領域に、子ども自身が向き合うことになるのです。

しかし、これは決して子どもたちを突き放すことではありません。むしろ、親が子どもたちに寄り添い、社会のルールや契約の重みを教え、自立した判断力を育む絶好の機会と捉えるべきです。消費者庁のデータが示すように、若者たちの契約トラブルは後を絶ちません。だからこそ、家庭での実践的な法教育が、子どもたちを不測の事態から守るための最も確実な盾となります。

日常の会話の中で契約の概念に触れたり、ニュースを題材に社会問題について議論したり、時にはロールプレイングで契約場面をシミュレーションしたりと、家庭でできることはたくさんあります。そして、困った時に相談できる窓口があること、公的な保護制度があることを教えることも、親の大切な役割です。

Art&Arts株式会社が運営する「こども六法スクール」では、このような現代社会で子どもたちが生き抜くために必要な法教育とロジカルシンキングを、楽しく、実践的に学べる場を提供しています。子どもたちが自分の頭で考え、論理的に判断し、適切な行動を選択できるようになることを目指しています。18歳成人という節目を、お子さまの成長と自立を促す前向きなステップとして捉え、ぜひ私たちと一緒に、未来を担う子どもたちの「考える力」を育んでいきましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 18歳成人で、これまでと大きく変わる点は何ですか?

2022年4月1日の民法改正により、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これにより、18歳、19歳の方も親の同意なしに携帯電話の契約、クレジットカードの作成、一人暮らしのアパートの賃貸契約、ローン契約などを締結できるようになります。これまでは親の同意がなければ取り消せた「未成年者取消権」が使えなくなる点が最も大きな変更点です。

Q2. 18歳成人になっても、できないことはありますか?

はい、あります。飲酒、喫煙、公営ギャンブル(競馬、競輪など)、大型・中型自動車運転免許の取得、国民年金の加入義務などは、これまで通り20歳未満は禁止または対象外とされています。これらは心身の発育や健康への配慮、社会的なリスクなどを考慮し、引き続き20歳という年齢制限が維持されています。

Q3. 子どもが契約トラブルに巻き込まれた場合、どうすれば良いですか?

まず、お子さまの状況を冷静に把握し、契約内容や経緯を詳しく聞き取ることが重要です。次に、契約書や関連資料を確認し、消費者ホットライン(局番なしの188番)や弁護士、司法書士などの専門機関に速やかに相談しましょう。一人で抱え込まず、専門家の助けを借りることが解決への第一歩となります。

Q4. 家庭で子どもに法教育を行うには、具体的に何をすれば良いですか?

日常の会話の中で「契約」の概念に触れたり、ニュースや社会問題をテーマに家族で議論したりすることが有効です。また、子どもの小さな選択を尊重し、その理由を考えさせることで、論理的思考力を育むことも重要です。実際に起こりうる契約場面を想定した役割演技(ロールプレイング)も、実践的な学びにつながります。

Q5. 「こども六法スクール」では、どのようなことを学べますか?

「こども六法スクール」では、子どもたちが社会のルールや法律の基礎を理解し、自分の権利と責任を認識する法教育を提供しています。また、物事を論理的に考え、問題解決に導くロジカルシンキング能力も養います。対話と議論を通じて、子どもたちが主体的に学び、自立した社会人として必要な力を育むことを目指しています。

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